シボ加工の原理と標準的な工程を紹介します。

1.洗浄

金型についている油や埃を除去します。

2.マスキング

加工しない金型の側面・底面をテープや塗料でマスキングします。

3.転写

シボの基本となる柄・模様の耐酸性インクプリントを金型表面に転写します。

4.腐食

酸性の液などを用いて金型表面を腐食します。腐食により金属が除去され金型表面に凹凸ができます。

5.仕上げ

アルミナとガラスビーズでブラスト処理をします。光沢調整して完了です。

加工の原理

シボ加工により、砂目、岩目、木目、皮革、幾何学模様など様々な柄を金型表面上に再現することができます。より実際のものに近い、本物らしく立体感のあるシボを再現するために工程3の転写と工程4の腐食を繰り返し行います。いずれの柄を再現するにも加工原理は共通しています。その工程を以下の金型の断面図を使って示してみます。

以上のように転写と腐食を繰り返すことで、起伏に富んだ表情豊かなシボができあがります。単純なシボ柄で1回、多いものでは10回繰り返すものがあります。

シボ加工の全工程の中で約8割が手作業で行われます。特に転写は手間のかかる工程で、職人技ともいえる技術と丹念な作業が要求されます。

繰り返し行われる模様付けと腐食の工程は、各シボメーカーが技術を競うところであり、腕の見せ所といえます。

  • 1回目の腐食で除去された金属
  • 2回目の腐食で除去された金属
  • 3回目の腐食で除去された金属

金型の断面

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